【1】


体に打ち付ける雨の音。

痛みを感じるほどの雨が降っている。
だけど、そんな雨に打たれ続けているにもかかわらず、俺にはそんな感覚はない。

バシャバシャバシャ。

コンクリートに降り落ちた雨の雫が、俺の顔を濡らしていく。

冷たい……

地面に落ちる雨粒の一つ一つが、恐ろしいくらいスローモーションに見える。
落ちた雨粒、それが弾けていくつもの個体に別れ、その個体が地面に吸い込まれて
とても小さな水溜りになる。

地面とほぼ同じ高さにいる俺には、それがはっきりと見えていた。

こんな雨の中、傘をささない人なんていない。
ささない人にはこの雨がどれほど痛いものなのかわかるはずがない。

さしていない俺には嫌というほど雨は降り落ち、身体はもうずぶ濡れになっていた。
それでも俺は傘をさすことはない、そもそも俺が手にしていた傘は今どこにあるのだろうか?

視線をさまよわせて見るものの、俺の視界に傘は入ってはこなかった。

体を動かそうにも、体はおろか指の一本さえも動かすことが出来ずにいた。
指先に意識を集中してみてもどこで線が切れているのか指は動いてくれない。

【綾斗】
「……えほっ……えほっ」

腹の底から吐き出すように空気が咳となって漏れる。
さっきから感じていた嫌な息苦しさ、それを解消しようと必死に呼吸をする。

【綾斗】
「ゲホっ!」

息を吸い込んだ瞬間、肺を突き破るような錯覚を感じるほどの痛みが走る。
慌てて呼吸を止め、再び息を吐き出した。

息苦しい、呼吸をしていないのだからそれは当然だ。
息をしなければ人間は死んでしまう、死にたくない、だから俺は息をした。

【綾斗】
「ゲホ! えほ!!」

訪れた激痛、こんな痛みに耐えられるわけがない。
だけど息を止めればやがて死んでしまう、死ぬほど辛い痛みと、確実に訪れる死。

普通に考えれば、痛みに耐えてでも生きることを選ぶのが当然。
だけど、今の俺には、そんな選択肢さえも選ぶことは出来なかった……

耳に鳴り響く、機械的で規則的な高い音。
それがサイレンだと、認識するまで俺の意識を繋ぎとめることは出来ず……

定まらなく、焦点もぼやけた俺の視線が最後に見つめていたのは。



空っぽになってしまっていた、俺の右手の中だった……


……


ゆらゆらと体が揺れている。

それはとても心地が良く、まるで揺り椅子にでも寝ているような
フワフワとした気持ちの良い揺れだった。

このまま眠り続けられればどれほど幸せなことなのだろうか?
そんな考えさえ浮かんでしまう気持ちの良い浮遊感。

だけど、俺の意識は体に眼を覚ませと指令を送る。

【綾斗】
「うん、うぅーん!」

横になっていた体を起こし、気持ちの良い寝起きを味わうように体を伸ばした。
二、三回目をパチパチと瞬かせ、少しずつ寝起きの眼を慣らしていく。

【綾斗】
「ここは……船、か?」

首を軽く左右に振り、辺りの景色と自分の状態を確認する。
確認出来たのは俺は今船の上で、川をその船で下っているといったところだろうか?

両手に立ち並ぶ建物、それとアーチ状に川に架かる橋、まるでヨーロッパの景色そのままだな。

【?】
「お目覚めですか?」

【綾斗】
「え……?」

後ろから聞こえた声に振り返ると、そこには俺が乗る船の船頭であろう女の子の姿。
白のワンピース、そのワンピースよりも本当に僅かばかり暗めのカーディガンを着こなした女の子。

俺はそういったファッションのセンスとかよくわからないけど、それをまとう彼女はとても可愛らしく見えた。

【女の子】
「眼が覚めて、最初のご感想はどうですか?」

【綾斗】
「どうって云われても……そもそも、俺は何でここに?」

【女の子】
「細かいことを省いて一言で表すとするならば……
綾斗さんが、下の世界でお亡くなりになられてしまったから、ということになりますね」

【綾斗】
「……は?」

一瞬彼女は何を云っているのだろうと思った。
とんでもない女の子に捕まっちゃのか、俺は?

【女の子】
「私の云っていることが信じられない、といった感じですね。
でもそれも無理ないことですよね」

【綾斗】
「冗談だろ?」

【女の子】
「残念ですけど、事実です。
記憶の混乱が多少あるかもしれませんが、今ここで目覚める前のことを思い出せますか?」

【綾斗】
「眼が覚める前? 俺は……」

記憶の呼び戻しにかかる。
途端に頭の奥がズキンと痛み、呼び戻しに待ったをかけるものの記憶はすぐに思い出された。

【綾斗】
「そうか、あの雨の中俺はトラックに……」

鮮明に思い出されるその瞬間、世界全ての時間が遅くなったのではと
錯覚するほど、俺の眼はその一瞬一瞬の全てを捉えていた。

自分に迫り来る鉄の塊、あまりに突然の出来事に逃げることにすら反応出来ずに硬直する体。
一瞬一瞬、一コマ一コマにさえも分けられるくらい細かく眼はそれを捉えていたにもかかわらず。

俺の体は動かなかった。

トラックが自分にぶつかった瞬間だけぽっかりと穴が開いている。
次に俺が見ていたのは、アスファルトに降り落ちる雨粒だった。

【綾斗】
「……救急車、俺は病院に運ばれたんじゃないのか?」

【女の子】
「運ばれましたよ、ですが間に合わなかったということです。
そうでなければ綾斗さんがここにいる説明が付きませんから」

【綾斗】
「そうだよ、ここ、ここは何処なんだ?」

【女の子】
「ここは『彼の世』です。 人間誰しもが死んでしまった後に訪れる
絶対に避けては通れない場所です」

【綾斗】
「彼の世……」

【女の子】
「でも正確にはまだ完全に死んでしまった、ということにはならないんですよ」

【綾斗】
「そう、なのか? それじゃあ俺は」

【女の子】
「残念ですが生き返ることは出来ません、今の綾斗さんの状態は云ってみれば魂の状態なんです。
それを一度中心地に行って、手続きを行って初めて綾斗さんは現世での死を迎えるんです」

なんだよ期待させやがって、結局は駄目なんじゃないか。

【綾斗】
「じゃあこれはなんだ、三途の川の渡し舟か?」

【女の子】
「いうなればそうです、彼の世ではそんな呼び方はしないんですけどね。
あ、申し訳ありませんでした、まだ私の自己紹介を済ませてませんでした」

別に紹介などしてもらわなくても良いんだけど
折角やろうとしてるのをしなくていいと一蹴するのも悪いし、聞くだけ聞いておこう。

【霊羅】
「申し遅れました、私、摩周院 霊羅と申します。 霊羅とお呼び下さい」

【綾斗】
「霊羅、ねぇ。 俺はこれからどうなるんだ?」

【霊羅】
「本来であれば中心地に行って、手続きを全て済ませるんですが。
まことに勝手ではありますが、手続きは全て私が支部で済ませてあるんです」

【綾斗】
「……つまり、俺はどうなるんだ?」

【霊羅】
「綾斗さんには、本日より死神として現世と彼の世で生活をしてもらいます」

【綾斗】
「は? だから、それはどういうことなんだって」

さっきから少しも結論に達しない、まどろっこしいことこの上ない。
俺に分かりやすいように一から説明してくれているんだろうけど、早く結論を聞かせてもらいたい。

【霊羅】
「死神という名前上、人の死に関わることになるかとお考えかもしれませんが
それは殆どありませんのでご心配なく、それは死神の中でも一部のエリートにしか許されていませんので」

もう俺が急かしても早くなりそうにもないので、ここは腹を括って全部聞いてやろう。

【霊羅】
「詳しく何をするかは追々お話しますので、しばらくはもう一度お休みいただいてもらって結構ですよ」

全部聞いてやろうと腹を括った途端に話が終わった、とんだ肩透かしをくらった。
しかも休んで良いと云ったな、つまりはしばらくは暇な時間になってしまったわけだ。

【綾斗】
「だけど、彼の世なんていうけど……」

見れば見るほどヨーロッパの街並みに酷似している。
勿論ヨーロッパに行って生で見たわけではないが、テレビや何かの映像や写真で見るものと
寸分違わぬと云って良いほどに雰囲気が似ていた。

空を見上げれば満天の星が輝いている。
その満天の星は船が作る淀みの中でさえ、存在感を主張して川の水面に映し出されていた。

【綾斗】
「なっ、これって……」

何気なく覗き込んだ水面の底、その光景に始めて背筋に寒気を感じてしまった。

そこに水が存在していることさえ信じられないような恐ろしいまでの透明度。
俺が今まで生きてきた世界に、恐ろしさを感じるほどの透明度はおそらく存在しないだろう。

水面に手を差し入れてみると、そこには確かに水が存在していた。
それだけでも十分な驚きなんだけど、それを超える異様な光景が水の底に広がっていた。

街が、沈んでいた。

どこかの宮殿を思わせるような、現実世界には存在しえないような。
物語の世界からそのまま抜き出してそれを沈めたような、幻想的な街並みが水の底に沈んでいた。

【霊羅】
「驚きですか?」

【綾斗】
「そりゃまあ、な」

【霊羅】
「この川は、下の世界に戻る唯一の通路なんです。
綾斗さんもこれからは度々ご利用なされますんで覚えておいてください」

……唯一の通路。

霊羅は今かなり重要なことを口走ったな。
俺は普通とは違う、いうなれば例外だ、そしてこれは現世に戻れる唯一の通路。

ならば……

【綾斗】
「会って間もないけど、じゃね!」

【霊羅】
「どうしたんですか急に、まさか!」

ジャボン!!

霊羅が動き出すより早く、俺は川の中へと飛び込んだ。
水の中なのに不思議と息が出来る、眼を普通に開けていることも出来る。

体が水に沈んでいく感覚、少しずつ少しずつ下に広がる街の景色が近づいていく。
しかし、景色が近づくにつれ、少しずつその景色は姿を変えていった。

幻想的に見えていた景色からは似ても似つかない、炎の赤が認識できた。
建造物が燃え、隣からは黒煙の色も確認できる。

それも一瞬の出来事、次の瞬間にはその景色は全て消え
近未来都市のような見たこともないような建物が数多く眼に入ってきた。

これは一体、さっきまで俺が見ていた景色は……

頭が軽くパニックを引き起こし始めたとき、下降する俺の体が止まる。

【霊羅】
「もう、勝手に飛び込まれちゃ困りますよ。
まだ現世に降りる体も持っていないのに、迷子になって二度と帰ってこれなくなっても知りませんよ」

俺を追いかけてきた霊羅に体を捕縛され、ゆっくりと浮上していく。
やがて俺たちは水面まで上がり、霊羅に船の上へと引き上げられた。

水の中に飛び込んだはずなのに、不思議と着ていた服も体も濡れていなかった。

【霊羅】
「良いですか、現世に降りるのは勝手に出来ることではないんです。
まず現世にそのままの体で降りることは出来ません、さっきも云いましたとおりここでの存在は魂のようなものですから。

現世に降りるための器を用意して、それに乗り移ってやっと降りることが出来るんです」

【綾斗】
「あのまま霊羅に捕まらなかったらどうなってたんだ?」

【霊羅】
「現世のどこかに魂のまま降り立ちます、そうなってしまうともう私でも回収は不可能です。
その世界を永久に、終わり無いままに彷徨い続けます、勿論誰かに見られることも触れることさえ叶いません」

【綾斗】
「そいつは、寂しいことだな」

永久に一人ぼっちで生き続けるなんて多分耐え切れない、これは霊羅に感謝した方が良いのかな?

【霊羅】
「今後は勝手に飛び込んだりしないでくださいね、綾斗さん自身のこともそうですけど
私まで上から怒られてしまいますから」

【綾斗】
「済まなかったよ」

【霊羅】
「ご理解いただければそれで十分ですよ。
ですがご心配なく、すぐに現世に降りることになりますから」

【綾斗】
「うん?」

【霊羅】
「これから綾斗さんが使う体を貰いに行くんです。
それを貰えばいつでも現世に降りることが出来ますよ、勿論私が一緒に行けばですけどね」

また俺が逃げ出したりしないようににっこりと微笑みながら釘を刺してきた。

心配しなくてももう逃げ出そうとかは考えちゃいない。
ここがもう普通とは違う場所であるということはさすがの俺でも理解できている。

……

【霊羅】
「綾斗さん、つきましたよ」

霊羅が船を川岸につけ、先に陸へと降り立った。

【霊羅】
「はい、足元気をつけてくださいね」

【綾斗】
「悪いね」

霊羅に差し出された手をとり、危なげなく俺も陸へと降り立つことが出来た。

【霊羅】
「足元おかしくないですか? 人によっては歩けない人もいるんですけど」

【綾斗】
「大丈夫かな、ほらこの通り」

【霊羅】
「みたいですね、では参りましょうか。
彼の世の夢前案内人は私、摩周院 霊羅が担当させて頂きます」

ワンピースの裾を持ち上げ、どこかのご令嬢のように小さくお辞儀をした。

霊羅の後について彼の世の街を歩く。
歩いてみて感じるのは、ここがこの間まで俺がいた世界との相違点がみつからないことだった。

確かに街並みはヨーロッパ、俺が住んでいた日本とは似ても似つかないところだが
俺が頭の中で考えていたヨーロッパというのはまさにこんな感じだった。

【霊羅】
「慣れない街並みに戸惑ってますか?」

【綾斗】
「慣れてはいないけど、割と想像出来る街並みだから混乱はしてないかな」

【霊羅】
「下の世界にも似たような街並みありますものね、良かった」

何が良かったのか俺にはわからないけど、心なしか霊羅の足取りが軽くなっている気がした。
しばらく霊羅の後につき、街並みを眺めながら歩みを進めていると突然霊羅がこちらへと振り返った。

【霊羅】
「はい、到着です」

眼の前にあるのはまるでアンティークショップを思わせる古風な建物だった。
立ち止まった霊羅はすぐにまた前へと向き直り、店の扉を開けた。

【霊羅】
「失礼しまーす、いらっしゃいますかー?」

霊羅に続いて俺も店の中へと足を踏み入れる。
外観に偽りなし、中はこれぞアンティークショップという感じだった。

【男性】
「いらっしゃいませ、これはこれは良くぞ御出で下さいました。
本日のご用件をお伺いいたしましょう」

現れたのは予想していたのよりもだいぶ若い男性だった。
挨拶もそこそこに商売の話とは、この人実はかなりのやり手だな。

【霊羅】
「この方に現世に降りる体を用意したいんですが、良い体は入っていますか?」

【男性】
「そうですね……体はいくらでも用意してありますが。
何かご希望はありますか?」

【霊羅】
「ですって、綾斗さん何かリクエストはありますか?」

【綾斗】
「リクエストって云われても……俺には何も分からないから、霊羅の好きに選んでくれ」

【男性】
「ではこちらへどうぞ、そちらの方は今お茶を用意させますのでそれでお寛ぎください」

【霊羅】
「じゃあ選んできますね、云っておきますけど後でこれじゃ駄目とか云わないでくださいよ」

……

【霊羅】
「お待たせしました、こちらでいかがですか?」

霊羅が人の体を抱きかかえて戻ってきた、って、力強いな。

【綾斗】
「おいおい、重くないのか?」

【霊羅】
「大丈夫ですよ、魂が入っていなければ重さは殆どありません。
とりあえず一度入ってみてもらえますか、動きにくかったりすればそれを調整しますので」

【綾斗】
「入ってと云われても……どうやって?」

【霊羅】
「そのまま重なってもらえれば大丈夫です」

抱きかかえていた体を椅子に座らせ、さあさあと俺を促した。

【綾斗】
「これ痛かったりしないの?」

【霊羅】
「大丈夫です、ちょっとした違和感はあるかもしれませんが痛みは無いですので。
私は、入ったこと無いですけど……」

なんの安心感も無い気休めありがとう……
しかしここで嫌がっててもしょうがない、覚悟を決めて俺はその体に重なるように椅子に腰掛けた。

視点が二重にずれ、体にのしかかる奇妙な重さが感じられる。
だけどそれもすぐに消え、手を握ったり開いたりしてみると俺の体ではない体が反応を示した。

【霊羅】
「はい、融合完了です。 立てますか?」

【綾斗】
「……」

ゆっくりと立ち上がる。
が、すぐに俺の体とは違う何かにバランスを崩してしまう。

【綾斗】
「おっと……」

【霊羅】
「わわ、大丈夫ですか?」

【綾斗】
「大丈夫大丈夫、ちょっとよろけただけ……あぁ、なるほど」

バランスを崩した原因はすぐに理解出来た。
俺の体とは、身長がまるで違うんだ。

前の体は霊羅と比べて頭一つ分くらいの差があったのが、今では約二つ分にまで開いている。
驚くほどに霊羅の顔が遠い、急にこうなればああなるのも当然だな。

【綾斗】
「随分でかいの選んだな」

【霊羅】
「これだけ大きいと、もし見失ったりしたときもすぐに分かりますからね。
なるべく目立つのを選んだんですけど、もう少し小さい方が良いですか」

【綾斗】
「いや、別にこれでも良いよ。 大きいのを経験するのも悪くないし」

ただ単に色々試すのが面倒くさい、これに尽きる。

【霊羅】
「ではこれで良いですね、お会計をお願いします」

【綾斗】
「会計って、俺この世界の金無いんだけど……」

【霊羅】
「ご心配なく、それはもう私が用意してありますので」

【男性】
「では、こちらで」

男性と霊羅が会計を始めたので、俺は店にあった大鏡で改めて俺の全身を眺めてみる。
前の体と似ているところを探してみるも、何一つ似ているところが見つからない。

中でも違いに驚いたのはこの長髪と口元のヒゲだろう。
結わってあるのでそれほど邪魔にはならないが、洗ったりする時は邪魔になるんだろうなぁ……

それに随分と逞しい体だな、昔の面影ゼロ、あえてやったのかこれは?

【霊羅】
「お待ちどうさまでした、じゃあ行きましょうか」

【男性】
「またのご来店を」

男性は俺たちに深々と頭を下げ、扉が閉まるまでお辞儀を続けていた。

【霊羅】
「体も手に入りましたし、いよいよ現世に参りますか。 えぇと……」

どこから取り出したのかファイルのような物を広げ
いつの間にか付けていた眼鏡でページを追っていた。

【霊羅】
「日時場所、期間はこれだけと……では、船に戻りましょう」

何かを確認し終えた霊羅はファイルを閉じ、船に向かって歩き始めた。

……

【霊羅】
「さあ綾斗さん、いよいよ初お仕事ですよ」

【綾斗】
「具体的に、何をどうするんだよ?」

【霊羅】
「それは、その時になったらお伝えしますよ♪」

なんだか凄い楽しそうだけど、仕事だってのに結局まだ教えてはもらえないのか……

【霊羅】
「じゃあ行きますよ」

霊羅は俺の手を取り、勢いよく川へと飛び込んだ。

【綾斗】
「ちょ、いきなり!」

いきなり川の中へと引きずり込まれた俺の今後が
確実に前途多難であろうことは明らかだった。






〜 N E X T 〜

〜 T O P 〜